カルダモン

ラストデイズのカルダモンのレビュー・感想・評価

ラストデイズ(2005年製作の映画)
3.5
カート・コバーンをモデルに、バンドのフロントマンが自殺する直前の二日間を描いたフィクション。実話に着想を得たとはいえまったくもって架空の話なのでカート本人とは関係がないのだが、どうみても彼に寄せているので、ファンであればあるほど看過し難いアレやコレが浮かぶ気持ちもわかる。似ているが故にニセモノ感が際立つのも否めない。

それでも私はこの映画が嫌いになれなくて、気怠い曇り空であったり薄汚れた部屋のムードであったり、森の中を猫背でヨタヨタと歩く姿などにグランジの味わいを感じながら、窓の外からゆっくりとドリーショットで映し出す時間が妙に印象に残っている。どうにもならない退廃的な気分は言葉よりも画で描く方が伝わるのかもしれない。などと思った。ガスヴァンサントは人物が歩く様を撮るのが上手な気がする。

今日2024年4月5日はカート・コバーン没後30周年。昨晩まったく意識しないままにこの映画を観て、そういえば何年経ったんだろう?なんて調べたら偶然にも。


DVDを持っているのに配信で観るという堕落。『ラストデイズ』のTシャツ付きBOXセットという、なぜ買ったのか思い出せないシロモノ。