こぅ

木曜日の未亡人のこぅのレビュー・感想・評価

木曜日の未亡人(2009年製作の映画)
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マルセロ・ピニェイロ監督による、
2001年にアルゼンチンで起きた金融危機を背景に描いた【群像・サスペンス】。


ゲーテットコミュニティ*に集う4夫妻。
そこで事件が起きるが…。


【アルゼンチン・アカデミー賞13部門ノミネート作品】。


・脚本/仕組み(仕込み)
アヴァンタイトル〜終盤のある時間帯のフラッシュフォワード的 謎 を残して切り、
OPクレジットバックの 気持ち悪い水中ショット もフラッシュフォワードによる伏線なのだろう。
冒頭、タノの妻、テレサの誕生日パーティーを経て10数分までに夫妻の登場人物名/キャラが飛び交うのは、イタリア作品にありそうな不親切設計。

ジャンルは、
群像劇のミステリーか⁈ミステリー風群像劇か⁈まだボヤけてはいる。
主人公は、
アヴァンタイトルで、タノ(パブロ・エチャリ)を探しに戻った、現時点で名前不明な女性であろうか⁈

冒頭、
数ヶ月前から4夫妻(新入りは、グスタボ/カルラ夫妻)それぞれの私生活/問題、夫同士妻同士、子供同士の交流、ビジネスの話などで構成されるが、キャラは多いし、エピソード/シークエンスが激しく飛ぶ+αなので、初見で完全に理解するのは不可。メインが何となく把握出来れば良いか、とスイッチを切り替えた。
やはり、主人公は、タノ夫妻の妻、テレサ(アナ・セレンターノ)だと明らかになる。

地味ながら飽きずに観ていられる。

クライマックスは、
やはりそうなるだろう それ は誰もが導かれるし、
その真相は、モヤっとさせつつも答は出るような仕組みにしている。

’80年の ある実話スペイン作品 の事象/事件と同種であろう。


・総評
本作のメインは、
群像劇で、サスペンス/ミステリーというスパイスを振りかけている。
かと言って、安易に群像サスペンス/ミステリーとは呼べない/呼ばさせないぞ、という作り手の意図が見えるのがユニーク。
サスペンス/ミステリー狙いならこんな あからさま/大胆な 脚本/構成にはしない筈である。

そこに興味有れば、鑑賞を勧めようか。
個人的には珍しいタイプの脚本/構成作品という印象。
恐らく、二度観 すると理解/発見がある脚本。

撮影のライティングは、明らかに光量不足⤵︎


顔面打ちレベル★★★★☆



*注記 wikiより
ゲーテッドコミュニティ/要塞都市(英語:gatedcommunity)とは、ゲート(門)を設け、周囲を塀で囲むなどして、住民以外の敷地内への出入りを制限することで通過交通の流入を防ぎ、防犯性を向上させたまちづくりの手法。
ゲーテッドコミュニティという概念自体は目新しいものではなく、以前から租界や米軍ハウス等があり、再定義したに過ぎない。
日本においては、ゲーテッドタウンやゲート・コミュニティとも表記される。
全米で今やゲーテッ ドコミュニティは約2万ヵ所存在し、 その 居住者数は800万人に達し、主要な大都市には軒並み存在し、また富裕層のみでなく中間所得層にも手の届く、 普遍的な居住形態となりつつある。
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