Saul Bass(ソール・バス)、彼の名前を意識したのはいつ頃からだったろうか…。
映画の入り口とも言えるオープニングタイトル。そこからもう目と耳が釘付けになる作品って確かにあるものです。
1955年の「黄金の腕」から1966年の「グラン・プリ」までの彼の全盛期とも言える時代の中の10本のタイトルデザインを、本人のインタビュー交えて紹介するドキュメンタリー。
生涯で60本制作しているそうなので、その中のまぁ、ごく一部ということになるでしょう。
線や図形を多用したイラスト風のものが多い印象だったけれど、10作品のうちアニメーションは2つのみで、常に新しいことに挑戦していたのが分かるラインナップになっている。
印象的だったのは「暗殺5時12分」。
ガンジー暗殺までの話で独特のリズムと時計の各部品がそのリズムに合わせて動き、刻々と迫るその時を予感させている。
「グラン・プリ」でもF1レースの緊張感が既にオープニングタイトルから始まっている。
「荒野を歩け」では、優美に歩く黒猫🐈⬛が…。
全てに言えることは映像と同じく音楽が素晴らしく感動的だという事だ。
ここには紹介されて無いけど個人的に好きなオープニングは、オットー・プレミンジャーの「バニー・レークは行方不明」(1965年)。
黒い画面、切り裂かれた白紙部分に現れる文字、バニー・レークと思われる女児の切り抜きの形が最後戻されるのが何とも可愛い。
新しい手法で言うならヒッチコックの「めまい」(1958年)のオープニングのCGも当時としてはとても斬新だと思う。
本編と同じく、それ以上に魅力的なオープニングタイトル作品が楽しめました。