ひろぽん

トランスポーター3 アンリミテッドのひろぽんのレビュー・感想・評価

3.4
『トランスポーター』3作目

プロの運び屋フランク・マーティンは、凶悪な依頼人・ジョンソンの仕事を頑なに断り襲撃されてしまう。目が覚めると手首に「車から20m離れると爆死するブレスレットの爆弾」が仕掛けられ、強引に「赤い代物」を運ばされることに。愛車には同じ爆弾を仕掛けられた謎の女性。謎の組織の追跡をかわしながら、二人はマルセイユ、ミュンヘン、ブタペスト、そしてオデッサへ。依頼に隠された世界規模の陰謀と、最悪の運命を変えることができるのかという物語。


これまでは運び屋として自身の決めたルールを徹底的に守ってきたフランクだったが、今度は愛車から20m以上離れたら爆発するという爆弾を装着され、敵のルールに従いその中で戦っていくストーリー。

最初から最後まで20mルールという縛りがあり、そのシンプルなルールがあることで爆発するかもしれないという緊張感を持ちながら最後まで観ることができた。

序盤から多数相手に1人で完封するジェイソン・ステイサムのアクションシーンはスカッとするほど観ていて気持ちがいい。身につけているネクタイですら武器にしてしまう即興のファイトスタイルは大好き。

今作のフランクの愛車も前作同様アウディA8を乗り、疾走していくカーチェイスは見応えがあった。特に、アウディとベンツの黒色に輝く同色対決のスピードバトルの疾走感が凄くて見入ってしまった。フランクに負けじと対抗する敵のドライバーの運転技術の高さも伝わってきた。その中でも、車体を傾けトラックとトラックの狭い空間を片輪走行で突き抜けていく爽快なドラテクは最高だった。

愛車を盗まれ自転車で街中の屋内外を追いかける自転車競技のBMXの様なアクションや、ダムから車ごと転落し水没する車の中から命の危機が迫る水中アクションは『トランスポーター』シリーズの中でも屈指のレベルの高いアクションで面白かった。いかなる時も咄嗟に知恵を出し、解決していくフランクの賢さも際立つ。

今作の難点がヒロイン・ヴァレンティーナ。親が親だけに甘やかされて育てられたんだろうなと感じるほど、自由奔放でパリピ気質のおちゃらけた性格。オレンジ色の髪に、色白のはっきり目立つそばかす、首裏には「安」という漢字のタトゥー。正直ヒロインとしてあまり魅力的で綺麗とは言えない。そばかすもファンデーション使えばもう少しマシになるだろうに。容姿も性格も含めてヒロインとして好きになれなかった。

ウクライナとロシアには考え方も心も違うと言いきれるような確執あるんだね。

ヒロインはヴァレンティーナより、安定のタルコニ警部の方が似合ってるように感じた。おじさんだけど、めちゃくちゃ可愛い。フランクと釣りしてるシーンなんてもうカップルだと言わんばかりに愛らしい。

敵ボスのジョンソン演じるロバート・ネッパーはシリーズNo.1で好き。圧倒的な悪役が似合う人相の悪さ。『プリズン・ブレイク』の時からこの人本当に好きだ。

ルール遵守の冷酷だったフランクがシリーズを通して熱い感情的な人間味のある男になっているのが分かる。

ジェイソン・ステイサムの『トランスポーター』シリーズはコレで最後だけど、マンネリ化してきたから丁度いい幕引きなのかもしれない。1、2作目と監督が変わったから作風がガラッと変わった。3作品の中では1番好きになれない作品。
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