なまくらウォッチメン

ハウス・バイ・ザ・リバーのなまくらウォッチメンのレビュー・感想・評価

ハウス・バイ・ザ・リバー(1950年製作の映画)
4.0
スランプに陥った作家がメイドを誤って殺害し、弟を巻き込み屍体遺棄
幻視に苛まれつつも、弟に濡れ衣を着せ執筆活動は順調に進んでいく…という倫理観の欠片も無い主人公像と死体を巡るサスペンスが面白い
メタファーの配置も巧妙だが、ミスリードが多いのは残念

弟のオールドミスのメイドへの冷酷な態度や髪、カーテン、絞殺を絡めたメタファーからのラストの霊的な、ある種レイプリベンジ的な展開は面白かったが、序盤以降サスペンスが持続しないのと、フリッツ・ラングお得意の裁判パートが雑だったのは惜しかった

後ほど調べたが、シオドマクの『らせん階段』と脚本家が一緒と知って納得
階段における男女の配置や、武力を持たない被害者女性に代わり、間接的に加害者に制裁を下す因果応報的なラスト等、共通項が多い
『らせん階段(1946)』が被害者視点の話と考えると、『ハウス・バイ・ザ・リバー』は加害者視点で換骨奪胎した構造の様に見えてくる