なまくらウォッチメン

コックと泥棒、その妻と愛人のなまくらウォッチメンのレビュー・感想・評価

4.0
鈴木清順作品的な美術・衣装が統一された色彩設計と、ウェルズ作品(特に『市民ケーン』)的なパンフォーカスを活かした構図と長回しで全編構成されていて眼福
映画には食事とセックスと暴力があれば十分だと思ってるが、今作はそれしか無くて非常に潔い作り

トランジションを挟み、フレーム内の色彩や衣装を変えることでキャラクターの心情を現す演出、最初のシーン以降でインパクトを超えるものはなかったが、ベタながら映画的転換らしく良い演出と言える

基本的には好みの内容だったが、終盤の復讐劇展開にはあまり乗れず
話をまとめるために必要なのは分かるが、その意趣返しが行われることでカタルシスが発生するとは思えなかった