サラエボ出身のエミール・クリトリッツァ監督が、初めてアメリカを舞台に選んで製作した1994年のアメリカ・フランス映画
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第43回ベルリン国際映画祭銀熊賞受賞作品
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ティム・バートンとのコンビとかばかり注目されがちだけど、ジョニーって、世界中の名監督と仕事してるんだよね。多くの監督に使われるってのはすごいことだ。
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この作品は、クリトリッツァ監督がニューヨークのコロンビア大学映画学科で講師をしていた時の生徒が書いたシナリオを、監督が映画化した作品
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変わった夢を持つ人々の悲喜劇を描くことで、アメリカン・ドリームというものを皮肉っている。この映画の撮影中に故郷でサラエボ紛争が勃発した監督が、アメリカという国をシニカルに描いているのが面白い。
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クリトリッツァ監督って動物を使った笑いが好きなのか、必ず出てくる。あれは反則な気もするけど、笑っちゃう。後、登場人物を空中に浮かせるのもよくやる。あれは、心の浮遊感を表現してるんだろうけど、びっくりする
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シニカルな内容なのにコミカルに描く。この監督はそのバランスが絶妙。長尺の作品ばかりの監督だけど、この監督が作り出す不思議な世界観にハマればあっという間だね。
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この作品の後は、サラエボ紛争について描いた作品ばかりになるから、この作品は貴重かも。それにしてもクリトリッツァ監督って、作品のほとんどが映画祭などで賞を受賞してるからすごい
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まだキャリア初期の若々しいジョニー・デップ。今は演技に自信と風格を感じるけど、この荒削りで初々しいジョニーの演技もいいんだよなあ
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ジョニーだけでも満足なのに、ヴィンセント・ギャロ出てるんだからやばい。ジョニーと似たエキゾチックな雰囲気をもつギャロ。この2人が一緒にいるだけで、ワクワクが止まらない。ギャロが作品内で、「レイジング・ブル」とか「ゴッドファーザー」の台詞を言うシーンなんか最高
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50年代に活躍した喜劇俳優のジェリー・ルイスや偉大なるオスカー女優フェイ・ダナウェイというキャスティングも素晴らしい。フェイ・ダナウェイがジョニーの相手役なのも意外性あっていい
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この映画の主題歌は、イギー・ポップが歌う「イン・ザ・デス・カー」
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クリトリッツァ監督、ジョニー、ギャロ、イギーって、俺を殺す気か。鼻血出るわこんなメンツ
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クリトリッツァ・ワールド初心者には解りづらい内容かもしれないけど、ジョニーとギャロ観るだけでも価値があるんで、ご覧あれ