ぬーたん

チャーリーのぬーたんのレビュー・感想・評価

チャーリー(1992年製作の映画)
4.8
チャップリン映画を観続けてフルコースでお腹も一杯になったので、別の店(カフェ・アッテンボロー)でスイーツを。
それは…とびきりお美味いスイーツでした!
今から25年前のチャップリンの伝記映画。
アッテンボロー監督は『大脱走』のロジャー。
素晴らしい演技の俳優さんが監督を。

『キッド』と『ライムライト』を再鑑賞する前に今作を観たのが悔やまれる。30年前くらいに一度は観たけど。
名作長編のハイライトシーンやラストシーンが出て来るので、『キッド』と『黄金狂時代』~『ライムライト』の8本を観てからの鑑賞がおすすめ。
伝記映画で酷評する方はだいたいその人物を知らないか嫌いかだと思う。
知らないと理解できないし、結果面白くないと言う。
その人の書いた本を読む・出た映画を観る・作ったものを知る・功績を調べる・私生活をWikiで見る。
等して少しは知った上で見ないともったいない。
あ、嫌いな人は見ないことです。

チャップリンを演じるのはロバート・ダウニー・Jr
今やアイアンマンとして大活躍ですが、当時はまだ27歳。
落着きあるのでとても27歳には見えないけど、それだけ役にはまっていたということかな。
アイアンマンでシャーロックでチャップリン。
薬物依存など問題を抱えながらこれだけの大役を任されるのは、やはり役者としての魅力があるからでしょう。
トニー・スターク大好きですが、たまには『ジャッジ 裁かれる判事』のようなシリアスな役もどんどんやってもらいたい。
で、チャップリン役は…
とても良かった!
最初は、イメージ違うかな?と思ったけど見ているうちにピッタリだと思うようになった。
ちょっと顔の部品がチャップリンより大きく端正な顔立ちですが、まあチャップリンもイケメンだったしね。
帽子を被りステッキを持って撮影現場に向かう後ろ姿と歩き方は、ソックリでびっくりした。
何度も何度も見て、何度も何度も練習したんだろうなあ。

編集者役がアンソニー・ホプキンス。
すごいクセが強い!俳優をぶつけてきたねw
この2ショットでは、さすがにチャーリーは老け役は無理があった。
でも頑張ったと思う。
チャーリーの母役を実娘が演じたのが、泣ける。
あの世で喜んでるだろうなあ。
プロデューサー役のダン・エイクロイドが貫録あって相変わらずの存在感。
最初の妻役が当時17歳のミラ・ジョヴォヴィッチ。
16歳で結婚していただけあって、落ち着き感があった。

チャーリーの貧しかった幼少時代から(アメリカからスイスに移住してからはないが)アカデミー賞の授賞式までの人生を描いた作品。
とても145分でも足りない感じだった。
作品がたくさん出てくるので、見ていて楽しく、あっという間の2時間強。
テニスが好きだったりパーティー嫌いだったり、時には声を荒げたり、知らなかったチャップリンを見れて、それも楽しかった。

アカデミー賞のシーンは…
本物の動画もちょうど見たばかりだったこともあるが、感動した。
ダイジェストが流れて、会場の笑いに包まれたチャップリン。
ただ泣ける、その胸中を思うとき。
喜びも辛さも、かつての若い情熱も今の老いた嘆きも。
いつまでも残るものを作った誇りも。
そう、100年前の貴方の作品を私は今見て、笑って泣いて、感動して、
そして貴方に恋してる。
すごいね。
ありがとう。
ぬーたん

ぬーたん