2021/09/16 DVD
ジャン＝ポール・ベルモンド追悼鑑賞。
VHSや円盤に一度もされておらず、2020年に【ジャン＝ポール・ベルモンド傑作選】にてHDリマスター版による待望の日本初劇場公開後に、今年7月に日本初円盤化。
後期ベルモンドの代表作となった、国家に裏切られた男の復讐劇。
オープニングのタイトル・クレジットがカラフルなスタイリッシュアートで格好良い。
ベルモンドの50代前の枯れ始めた色気、ハードボイルドな魅力が堪能出来る。スタント無しで披露するアクション、特に後半のエッフェル塔を背景に繰り広げられるカーチェイス、ロベール・オッセンと向かい撃ち合うシーンが痺れる。
名俳優ロベール・オッセン氏は2020年12月31日に、新型コロナ感染により逝去されていたことを知り残念でならない。
撮影は『太陽がいっぱい』(60)、『サムライ』(67)の名手アンリ・ドカエ。
音楽は2020年に逝去したイタリアの映画音楽の大巨匠エンニオ・モリコーネ。
本作で使用されている名曲“CHI MAI”の哀愁溢れるスコア。劇中で何度も繰り返しベルモンド登場場面で使用されているため、まるでMVのように目と耳にこびり付き離れない。
ベルモンドを追悼する国家式典が9月９日、パリのアンバリッド（廃兵院）で行われた際、本編のダイジェスト映像とともに、軍楽隊によりこの曲が演奏され、参列者の涙と拍手で棺が見送られた。
もともと71年にイェジー・カヴァレロヴィッチが監督したイタリア、ユーゴスラヴィア合作映画“MADDALENA”のために書かれた曲だったが、ベルモンドが78年に再録音された同曲を聴いて気に入り、本作のサントラに使用することになり、この映画のサントラとして大ヒットし、オリジナル以上の知名度を得てモリコーネの代表曲の一つとなった。
