フィル友さんにジョンフランケンハイマー大好きっ子がいらっしゃいまして、心を込めてレビューします😆
たまたま前回のアラバマ物語と同じ年の製作で、まったく系統が違うけれどこちらも傑作。
東西冷戦の真っ最中、朝鮮戦争からの帰還兵が、戦争中にソ連により捕獲、洗脳されていた?という社会派スリラーだ。
前半、何人かの除隊者たちの夢として描かれる洗脳のシークエンスが非常に興味深い。ちょっと意味がわからないところもあってついていくのが大変だけれど、描き方にそれぞれ工夫があって面白いのでとりあえず洗脳されたら酷い目に遭うということだけ押さえておけば良いだろう笑
そう言えば世界の戦犯の一人として安倍晋三の義理のお爺ちゃんが出てきてビックリ。まあ間違いではないけれど💦
主役は歌わないフランクシナトラ。製作費の半分は彼のギャラだそうで、それに見合うかどうかはボクには判断つかない。なにしろ語り部の役割で、探偵さながらに事件の解決に迫るのだけれど、いきなり中国拳法のような奇っ怪なアクション😅
この時代はまだハリウッドでカンフーなんてものは存在していなかったらしいのでご愛嬌ってとこか。
そのシナトラと仲良くなるのがジャネットリー。「サイコ」の次の役が本作だった。こちらもあんまりストーリーに絡まない添え物のような役で、後半ほとんど出てこない。しかし彼女が二重スパイという設定も考えられたらしく、それも見てみたかったかも。
この映画の最も魅力的?なキャラクターはアイスリン議員夫人。アメリカ映画100年の悪役ベスト100でなんと21位という快挙w
この時点で悪モンというネタバレやん?と思うなかれ、登場シーンからしてすごいインパクトで主役を張る勢い。普通でないw
しかも原作では息子とのベッドシーンがあるそうで(未読です)、本編ではヘイズコードもあってか、ソフトに抑えられている。それでもこの異常な親子愛は映画史に残ってしかるべしだ。
冷戦下、赤狩り、保守派と中国共産党のによる洗脳、という社会情勢を踏まえた設定(ただし当時は斬新すぎて批判の的だった)もさることながら、ストーリー自体も展開が読めず、サスペンスとして普通に面白い。
フランケンハイマーは、やたらダイナミックにカメラを動かす「動」の映画とは異なり、フレームを大事にして「静」をじっくりと見せる監督。じわじわと迫る危機、洗脳による恐怖、役者の表情と少ないセリフでたっぷりと楽しめる。
遠近を使った配置、何かのミスか?と思うくらいピントが合ってないボヤけた画面、アップの多用、洗脳のイメージをさまざまな視点で表現した緻密な映像で大満足な時間だった。
て、こんな感じで良いかな、のんchan❗️