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第四の核のHKのレビュー・感想・評価

第四の核(1986年製作の映画)
3.5
フレデリック・フォーサイス原作小説の映画化。
主演はマイケル・ケイン、ピアース・ブロスナン他。
監督は『長く熱い週末』など一部で評価が高いイギリスのジョン・マッケンジー。
脚本はフォーサイス自身。音楽は今回あまり印象に残らないラロ・シフリン。

フォーサイスの映画化は大傑作の『ジャッカルの日』は別格としても『オデッサ・ファイル』や『戦争の犬たち』もなかなか楽しめた作品でしたが、4度目の映画化となる本作は日本では劇場未公開。
ブロスナンもまだJ・ボンドになる前でしたし、上記の顔ぶれではパンチに欠けたのでしょうか。

観終わって感じたのは、大まかな構成が『ジャッカルの日』にソックリなこと。
『ジャッカル~』はクライマックスの大統領暗殺に向けて殺し屋ジャッカルとそれを阻止せんとするフランス警察が並行して描かれましたが、本作ではイギリスの米軍基地内での核爆発を図る腕利きのKGB工作員と、それに対抗するイギリス諜報機関が描かれます。

P・ブロスナン扮するKGB工作員が計画達成のため寡黙に着々と準備を進め、証拠を残さぬよう関係者を次々始末する様子はまるで『ジャッカルの日』のエドワード・フォックス。
対してM・ケイン扮するイギリス諜報局の切れ者が仏警察のM・ロンスデールの役どころ。

原作はどうなのか未読のためわかりませんが、この展開では名匠F・ジンネマン監督の傑作『ジャッカルの日』と比較されるため、明らかに不利な条件での映画化と言う気がします。
スタッフ・キャストの皆さんはそれぞれ健闘していると思いますけどね。

用済みになって消されるロシアの女性科学者に見覚えがあると思ったら『ブレードランナー』のレプリカント、ヘビ女のゾラ(ジョアンナ・キャシディ)でした。
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