広島カップ

プロジェクトV(バイオント) 史上最悪のダム災害の広島カップのレビュー・感想・評価

3.0
ヴィットリオ・デ・シーカ、ピエトロ・ジェルミ、ロベルト・ベニーニ等私の好きなイタリア人監督によるイタリア映画はいつも、人間の温かくてどこか哀しい人生の機微を観せてくれる。
そうした作品を数多く観ている為か、イタリア語で展開される映画は条件反射でそうした調子の作品ではないかと感じて観てしまいます。明るい日差しやカップルが出て来たりしたら尚更です。

本作はそんなイタリア語で進む珍しいディザスタームービー。
イタリア語は悲劇的なパニック映画には不向きの言葉ではないかと感じます。
登場人物がイタリア語を話していると酷い災厄なんか起きないような気配を感じてしまうのが不思議。

ダム湖の周囲の山が崩落して湖に落下した為にダムが崩壊するという実際に1963年イタリアで起きた大惨事を描いています。
崩落が起きて危険であるから逃げろという学者と、いやそんな事は起きないから大丈夫という御用学者の争いなんかを中盤過ぎまで観せられて、「でもやっぱり起きちゃうだね。皆んなイタリア語で喋っているから起きそうもないんだけどね」みたいな気分になって臨む終盤でした。

ダムの崩壊シーンは結構迫力がありました。
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