アレンビー家の娘フィリス。
彼女は、家の近くで起こった殺人事件で自分を犯人と信じて、狼に呪われた家系に怯えるようになってしまう。
『狼男』映画の本家、ユニバーサルの作品。
まず、タイトルに期待して鑑賞するとガッカリするかもしれない。
この映画にモンスターなんかはビタ一文出ない。
最後に美女が叫び声を上げながらオオカミモンスターに変身して殺戮の限りを尽くすとか、そういう類いの「モンスター映画」ではないのです。
女が変身した狼女は一体全体どんな姿形なのであろうかと楽しみにしていたら…って感じです。
本作はユニバーサルの『狼男』シリーズに連なるものではなく、狼女が出てくるわけではないので。
作品の出来はまずまずなんで、狼女なんて題名つけない方が評価が上がったんでは?と思います。
物語はラストに実は・・・というオチがあり、映画自体はホラーというよりもサスペンス。
だけど、流石に時代が時代なので現代人が見れば、序盤で大体犯人の目星がついてしまう。
トリックも時代が時代なので仕方がないがすぐに見抜ける。
古い映画なので仕方がないか。
しかし、ナイフを持って殺人を犯しに、夜な夜な霧のロンドンの町を徘徊する殺人鬼の場面は恐ろしい。
ふと「切り裂きジャック」を連想してしまった。
また、心理サスペンスとしてもなかなかよく出来ており、自分の知らないうちに殺人を犯しているのではないかと恐怖に陥る女性の心理を丁寧に描いている。
というわけで狼女は出てこないが、ゴシックロマンのよい作品だったと思います。
題名負けのもったいない作品でしたね。