翼

バットマンの翼のレビュー・感想・評価

バットマン(1989年製作の映画)
3.9
1989年公開のティムバートン監督版。
スパイダーマンと同じく、様々な解釈でリブートされるアイコンとなっているバットマン作品だが、私たちの知るバットマンが集約されていると改めて感じる。やっぱこのテーマソングの存在感は凄まじい。

シザーハンズ以前、私が観た中で最も古いティムバートン作品にも関わらず、確立されているティムバートン節。何処を切り取ってもとにかく絵になる。お世辞にも格好良いとは言い難いマイケルキートンさえ、この世界にどっぷり浸かれば冴えない髪型と眉毛とだっさい眼鏡もそれっぽくなるもの。そしてどう考えてもヴィランへの偏愛が凄い。ジャックニコルソンのジョーカーがあまりにも鮮烈!紫と緑と白を見たら暫くはそわそわしちゃうくらいのインパクト。クラウンとしての立ち居振る舞いとジョーク、そしてあの笑い声。TVを消すためにリモコンじゃなくてリボルバーぶっ放すとことか最高よ。細部に彼がジョーカーたるオーラがあり、このジョーカーが在るからこそ、続く名作のジョーカーが在るのだと断言できる理想像的なヴィラン。穿った見方でなく普通の尺度で見ても、本作の主役は彼だ。
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