ChanpuruPoo

少年と犬のChanpuruPooのネタバレレビュー・内容・結末

少年と犬(1975年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

『マッドマックス2』に先駆けた、核戦争後の荒廃した世界のビジュアルや設定は魅力的で、特に地下シェルターに見立てられた薄暗い倉庫など、どこか不気味な地下世界の美術が良かった。少年ヴィック(ドン・ジョンソン)とテレパシーで結ばれた犬の佇まいも絶妙な味わいで素晴らしい。ただ、あまりにもショッキングなラストにはミソジニー的なものを感じてしまって流石に気まずかった。作り手もブラックで皮肉なエンディングとして作っているとは思うが。クイラ(スザンヌ・ベンソン)はある意味管理社会に反旗を翻したアウトローと言えるが、そんな彼女が結局「男たち」に残酷な形で敗北してしまうのは残念だった。
後半のディストピア描写については、常に笑顔の怪力男が実はロボットだったことがクライマックスで明かされるが、生殖能力を失ったという彼以外の男たちもロボットなのではないか、という疑念が頭をもたげて、ちょっと怖い。
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