空海花

動くな、死ね、甦れ!の空海花のレビュー・感想・評価

動くな、死ね、甦れ!(1989年製作の映画)
4.2
フォロワーさんレビューにて前日に上映を知り、頑張って行ってきました。
知った時には翌日の映画予約した後だったので
最終上映でしたが間に合いました。
やっと観られた!ありがとうございます。

実際に監督が育ったといわれているソビエトの極東、炭鉱町スーチャン。
時は第二次大戦後。
ドキュメンタリータッチで描かれており
リアリティがすごい。
主人公の少年は実際のストリートチルドレンで
最近だと「存在のない子供たち」を思い出すけれど
あのドラマティックさとは比較しようがない。
可愛くも見えるが、彼は生粋の悪童だろうな。
良いとか悪いとか別にして正直仕方ないと思ってしまうけれど。
何かそれ以前だ。
旧ソ連戦勝国なのに…
みんな怒鳴るように喋るし。激しい。むごい。
で、すごい日常切り取り系だ。
かつてのヌーベルバーグとデカダンス。
そんな生易しくなさそう。
戦争で文化が1度ぶっ壊れた感じ。
でも歌は壊れない。
だからこそたまらない一瞬も存在する。
日本人も日本の歌も出て来る。
最初と最後で入る撮影感が
一気に現実に引き戻す。
いや戻してくれると言うべきか。

主人公には守護天使が付いている。
この映画で唯一といえる希望の光。

もっとドラマなんかないものだと思っていたが
観たらとても悲しい物語で
泣ける訳でもないしんどさに襲われる。


実は一昨年くらいにも見逃し、やっと観られた今作。
この場所学生以来かな。
あと2作を、死ぬまでに観たい。


2020劇場鑑賞34本目
空海花

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