らら

華麗なるギャツビーのららのネタバレレビュー・内容・結末

華麗なるギャツビー(2013年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

まず、デイジーの登場シーンが魅力的すぎてそこで一気に引き込まれた。あの美しさには一瞬で恋に落ちちゃうね、、

作品全体を通して映像表現が派手で見応えがあった。特に布の動き(カーテンや服など)を用いた表現と、天気とリンクさせた感情表現が多かった気がする。
衣装も煌びやかで最高。音楽だけやけに現代的で微妙だった。

如何なる状況でも希望を見出して突き進むギャッツビーの生き方は大変かっこいいと思ったが、恋愛になると話が違うのではないかとも思った。デイジーの話を聞かずに決断を迫るシーンから、彼女はギャッツビーの理想を実現するために必要なパーツの1つにされているようにも見えた。デイジー自身があまり志や意思のない人間であるという要因もあるかもしれないが(女の子はキレイなお馬鹿さんが1番というセリフからも読み取れるように)、美しく若い女性という財産を男性が取り合う構図が出来上がっているようにも感じた。

ギャッツビーに発言を迫られた結果、デイジーが夫を愛したことはなかったと言い切れなかったシーンも印象的だった。たしかに、愛していたことはなかったことにはできないし(一途なギャッツビーはそれを聞かされて心苦しいだろうとは思うが)、誰かと共に人生を歩もうとするなら、今誰を愛しているかということ以上に一緒にいる理由として考えられることはないと思った。(でも、積み重ねた時間と乗り越えた試練によって生まれた絆が恋愛感情を超えることはあるのかもしれない、、「マディソン郡の橋」とかまさにそういう話)

また、戦争により引き裂かれて時代に翻弄された男女のメロドラマ(「ひまわり」や「シェルブールの雨傘」にも似た展開が見られる)としての側面や、アメリカの格差社会や根強い人種差別の問題が作中で所々見受けられ、さらに多様な角度から作品を考察できる可能性があった。
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