らら

パリ、テキサスのららのネタバレレビュー・内容・結末

パリ、テキサス(1984年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

一度壊れた関係は元に戻らないよね…と切ない気持ちになった。
ジェーンとトラヴィスの物語として捉えると、2人の関係の表現(8ミリ映画のシーン、ジェーンの後ろ姿だけが見えるシーン、鏡越しに話をするシーン、トラヴィスがビルの窓越しにジェーンとハンターを見るシーンなど)は秀逸だと思ったが、どうしてもハンターとアンとウォルトが重ねてきた家族の時間がチラついてしまい、あまりジェーンとトラヴィスの物語に入り込めなかった。また、ハンターが知的で物分かりの良い子供すぎないか?という雑念も、観ていてずっと付き纏った。

ウォルトとアンが飛行機の音が絶えないロスの家でお手伝いさんを雇って暮らす様子や、ジェーンが下品な落書きが目立つ治安の悪い地域で水商売をする様子や、何もないテキサスの荒野にトラヴィスが夢を抱き続ける様子から、80年代アメリカの各都市で営まれる人間生活や各都市に対して抱かれていたイメージをこの映画を通して観ることができる。日本の場合、未開拓で1人になれる土地=山だけど、アメリカだと荒野になるんだな。
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