やんげき

パフューム ある人殺しの物語のやんげきのレビュー・感想・評価

3.9
何このとんでも映画!
作品全体が結構な熱量を押さえ込みながら狂気を描いてるから、かなりエロいのに全然そっちに気持ちが動かない。
淡々としたヤバさが、基地外じみたラストで爆発した感ある。

相当カルトですよこの作品は!!

まず、何より誰も想像できない驚天動地のオチ!
処刑騒ぎの中のそんな馬鹿な展開!
(でも、覆す伏線ちゃんと張ってあったし予想通りなる)
と思ったら、さらにそんな馬鹿な展開!!
(誰だよマイ サン って!!)
そして、ラストもそんな馬鹿な!!!
エピローグまでさっぱり理解出来ない!
「愛って一体なんだっけ??」
香りってそこまでの力持ってるんだっけ?いやもはやここまで来ると考えるな感じろまで行き着いた感ある。

しかし、パリの汚さもさることながら出てくる人間や民衆達の浅ましさがまたすごい。
主人公グルヌイユを含めて、誰一人欲に抗えていない。

罪人を糾弾する教主の慟哭とも言えるような宣言。
ツバを飛ばしながら刑を述べる役人。
吼えるように応える民衆。
自分の利益のためだけに子どもを飼う大人達。

人の生き死にの軽さこそ、本作の痛烈なメッセージのように感じる。

とはいえ情報が絶妙に不足しているのに、突き抜けた展開に満足感はきっちり得る事ができるある意味10年に一度クラスの怪作だろう。
やんげき

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