同じパジャマはインする派として親近感が湧いた。
ル・ミリオンと比較してこちらは現実と夢のシーンの移ろいが滑らかで、見るに快適だった。
夢の景色がハリボテだったりしてちょうど良い対比表現だった。
クロードは人生に見放されているとご近所たちに哀れに思われていたけれど、彼はまた自分の人生を見放している側でもあり、だから言葉通りの夢想家暮らしに逃避しようとする。
ルネクレール作品はお節介な人たちばかり出てくることでお馴染みで、ここにもやはり沢山いた。ただそれ以上に主人公が他人からの厚意を蔑ろにする天才だった。
夢に生きるのであればもっと自在に過ごせないものなのかとも思うし、夜ごとの美女の言動は逆に夢にしても理想化しすぎだろうとも思って絶妙にもどかしい。
いつもの予定調和なコメディに変わりないが、他に観た作品よりも道のりを派手に感じた。