こたつむり

EVA エヴァのこたつむりのレビュー・感想・評価

EVA エヴァ(2011年製作の映画)
3.6
♪ でも 抱きしめさせて ごまかさないで
  僕を遠ざける 君が怖がりなままで

常に雪が積もっている冬の地方。
ロボットが日常に息づいている世界。
監督さんの優しい筆致で描かれた物語。
とても素敵な雰囲気の作品でした。

それはオープニングからして顕著です。
CGで作られたとは思えない繊細さに満ちていて。無骨な手で握りつぶしてはならない…と警告しているかのよう。

だから、大切なのは想像力。
過去に何があったのか…それを紐解くように登場人物を見つめれば言葉不足の部分も“妙味”に変わって…とても面白い物語になるのです。

が。
が。が。
ががががが。
ねえねえ、ちょっと待って。実は主人公って結構“クズ”じゃね?考えれば考えるほど、自分勝手でヒドイ奴じゃね?ついでに少し(かなり)ロリコン入ってね?

なんて思いに囚われてしまうのも事実。
この辺りは人を選ぶ気がします。主人公がある少女に惹かれていく…というのが作品のキモであり、そこにはキチンと意味があるんですけど、でも…その理由を差し引いても…やっぱり、ちょっと危ない気が…。

というか。
そこを考え出すと「そんな簡単な言葉がキーワードで良いのか」とか「なんでお前は気付かないんだ」とか「その演出って某ヒーロー映画のパクリじゃね?」とか、ツッコみたくなる部分もあるんで…うーん。気付かなかった方が幸せなのかも。

まあ、そんなわけで。
面白いんです。
確実に掘り出し物なんです。
でも、全ての事象は多面的であるのも事実。
知らなければ幸せ…なんてこともありますんで、深くまではダイブしないほうが吉です。

あ。でも。
ネコのネコによるネコのためのネコネコ共和国樹立を夢見ている人は必見。劇中にネコ型ロボット(どら焼きが好きなアレではない)が出てくるんですが、あの可愛らしさは反則級。ネコの素晴らしさは外見だけじゃない、と証明してくれた作品でした。
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