ミサキ

カルトのミサキのネタバレレビュー・内容・結末

カルト(2012年製作の映画)
1.9

このレビューはネタバレを含みます

Twitterでちょいバズしているツイートで紹介されていたので、配信で見られそうなら見ようかな~と思い調べたらネフリにあるやん! しかも三浦くん出てるやん!(特撮好きマン並の感想)というわけで鑑賞。

ちょいバズツイートには「2人霊能者がやられた後にでてくる霊能者NEOが強すぎて霊が可哀想になってくる」と書いてあったのでその展開は知った上で見ています。

オブラートに包まずに直接的な表現をさせていただきますが、「え、私今AVの導入見てる?」と感じさせられるチープさが冒頭から物凄い(笑) タレント三人が本人として出演するのは面白いな~と思いましたが(いわゆるモキュメンタリー的な)、オフを無理に演じているという感じがなんともいえない雰囲気を醸し出してます。おっ、私がこれから観る映画はザ・B級映画だな…と身構えが出来ます(笑)

簡単なあらすじは上記ちょいバズツイの通り、家での心霊現象に悩むとある親子の除霊の様子を解決するまで3人のタレントが密着するというよくある心霊番組を撮影しようとしたところ、2人も霊能力者がやられてしまい、最後に更に強い霊能力者に頼るのだが…というものです。

序盤の2人はマジで完全に前座でしたね。NEOさんが出て来るまでの。もう明らかに霊に勝ててないもん(笑) 1人目が手に負えないぞこれは~と慌て、その後師匠を呼びその二人で立ち向かい、なんとか除霊できた。後日親子から「除霊ありがとう!」のビデオレターが届き…という感じなのですが、その後1人目の弟子の方は速攻で死に、師匠も突如入院しその夜死にましたからね。師匠の最後が個人的にツボだったのですが、「ビデオ回しといてください。私に何か起こると思いますので」って。意外と気丈やな師匠。

上記の2人とも、ほん怖よろしくな除霊シーンがあるのですが、これがまた霊がチープ! よくわからない黒いうにょうにょした何かがうごめいているので霊というか怖いなにかというかあれなんだ?という感じです。理解力が追いつきませんでした(笑) この映画に出て来る霊(?)は一部除きほぼこのよくわからない黒くて細いうにょうにょしたものなので視覚的な怖さはゼロと言ってもいいかも。。。あ、一つだけ。1人目の除霊の最中に娘が発狂して自分の飼い犬を食い殺すシーンがある程度です。これもテレビ番組という設定で撮影しているので仕方ないことですが、ワンちゃんの死骸にモザイクがかかっているのが怖さ半減というか、不謹慎ですがもはやちょっと笑っちゃう感じというか…しかもこの親子、この後全然このワンちゃんの死を悼む様子がなかったのでそれが一番個人的には怖かったです。もうちょっと悲しんであげてよ。

逆に個人的面白MVPもここにありまして、1人目の除霊の時に「これから魚や肉は食べないで下さい」、といわゆる『生臭ものは食べるな』注意があるのですが、除霊の最中に岩佐真悠子が苦しみ出し、「ごめんなさいハンバーガー食べました~!!」と言うシーン。食べたもののチョイスが絶妙でよかったです(笑) まあ誰もハンバーガー食べたらそんな目に遭うなんて考えないよ。私も気を付けます。(?)

あ、そういえば2人目の除霊が始まる前にタレントの一人、入来茉里ちゃんが「もう怖いよ~! 無理!」と番組を降りてしまうのですが、その後「仕事を途中で放り出すなんて!」とブチ切れるマネージャーを不思議なポルターガイスト的な力でボコし、「神様が私の力を必要としている」的なヤバい発言を残して消えます。ちょっとちょっと~! 家の霊でさえ片付いてないのにどうなっちゃうの~!?(棒)

気を取り直して。さて、ここからが本番。三浦涼介くん演じるNEOの登場です。2人の霊能者が命を落としてしまったレベルの霊もなんのその。超速で解決していきます。家に赴き呪いの発生源をさっそく発見(猫の足が媒体になっているものや、よくわからない箱が家から見つかります。作中では特に具体的に何かは説明されず「呪いの爆弾」とだけ言われます)。しかもその原因が速攻で隣人だとも突き止めます。

言及し忘れていたのですが、1人目や2人目の霊能者の時に突然画面が止まって、無言「お分かりいただけただろうか」があるんですよ。霊っぽいものが写り込んでる場面がスロー&拡大でもう一度流されるっていう。それが本当に突然なので「え? なに?」となります。(この際、不気味な隣人がこっそり窓からこちらの様子を伺っているというのが分かります)

あーなるほどね隣の人が原因だったのね、あの無言「お分かりいただけただろうか」はそういう伏線…ってアホかーい! 雰囲気ぶち壊しだわ! びっくりしたわ!

ですがこれでは終わりません。呪いをかけてきていた隣人に対し「今晩中にここを去れ、もう戻ってくるな」とNEOはいい隣人は従います。これで解決と思われたかと思いきや…NEOは番組のディレクターに対し、家に置いた定点カメラの電源はまだ入れたままにし、また別途調べて欲しいことがあると指示をします。ここからは少し面白い展開でした。

夜、皆が寝静まった後に追い出した隣人含めなんかめっちゃ大勢の人が家の前でアーアー言いながら儀式みたいなものをはじめ、それにつれなんとお母さんもアーアー一緒に儀式に参加し、娘がうなされ始めます。あ、これも言い忘れてましたがこの娘さんが小さいころに何度も死にかけたとかで、向こうの世界とつながりやすい霊媒体質のために霊を引き寄せているのでは…という説明が1人目の霊能力者さんにされています。なので、狙われているのはこの娘さんです。

これはやばいのでは?となったところで俺たちのNEOさん登場。怪しい儀式を行う人々を蹴散らします。そしてNEOさんがこのお母さんは偽物であるということを突き止めてくれます! すごいぜNEOさん! それをディレクターに調べさせてたんだね!

まあこのお母さん、最初にNEOさんが現れた時に「ご信仰は?」と聞いてくるので、みんな「は?」と思ったと思います。NEOさんは変な団体の一員だったんだろ、あの質問で怪しいと思ったぜ的なことを言ってくれるのですが、これが1人目や2人目の霊能力者さんの時にもされていた質問ならまだしも、NEOさんにだけ突然質問してくるので「なんだこれ」となったのは私だけではないはず…と信じたい。

この偽お母さんが言うには、偽お母さんはカルト集団の一員であり、その集団の「神」(NEOさん曰く『神じゃなくてバケモン』)を向こうの世界とつながりやすくなっているこの娘を使って呼び出そうとしているとのことでした。(サイレントヒル的な感じ)

なお、この話をしている時点で残り時間があと10分ぐらい。え?大丈夫? まだ回収しきってない伏線(というか茉里ちゃん)あるけど…と心配になりはじめていました。

その後、娘さんに取り憑いていたなんかヤバいものを一時的にこれまた密着タレントの一人、岩佐真悠子に移し(!?)なんとか救ったNEOさん。(ところでこの映画の除霊方法、ヤバい人に取り憑いてる霊を他人に移す、という方法をしてるんですけど(2人目の人がやってた)ほんとにそれでなんとかなってるの?と不安になります。なんか整合性取れる説明してくれ。例えば大した霊感持ってない人に移したらこの黒いうにょうにょは実は弱体化するんだ、とかさ…。)

これで一件落着かと思ったら突然現れる茉里ちゃんの生霊。(…実はこの前に一度NEOさんを襲いに登場していますが、秒でNEOさんが消しました。その後NEOさんから茉里ちゃんには霊媒師の才能があり、それをカルト集団に目を付けられどこかに監禁され利用されている、と説明がありました。)その生霊が「もう遅い。私たちの神は来る。来る。来る」とぼそぼそ言ったところをまたNEOさんが撃退。この時点で残り時間3分。

すると茉里ちゃんのその発言を受けたNEOさんが「これからが本当の戦いだ」的なことを言ってバンッと「カルト」と本作のタイトルが表示され、そのままエンドロール。

………………………え?←多分この映画見た人全員の気持ち

数分で怒濤の伏線回収してくれるのかと思いきやまさかの打ち切り漫画の最終回のようなオチ。

すごい、なんだこれは…なんなんだ…。

茉里ちゃんは救出されず生霊のままだわ、あの黒いうにょうにょは結局なんだったのかすらも説明されないし、この他にもこれなにあれなにと言いたいところたくさんあるのにボーンと丸投げされてこの、このなんとも言えない気持ちを私はどうしたらいいの!?

これから来るあつ~い夏の夜に友達などの大人数で集まってワイワイガヤガヤ突っ込みを入れながら見る事をお勧めします。私は「あああ~!」とやるせない気持ちを一人で抱える羽目になったので。ギャグ映画としては☆100ぐらい上げたいですが、調べたところジャンルは一応ホラー映画らしいので厳しめ評価です。悪しからず…。

【追記】
視聴後に調べたのですが、この監督さん、貞子VS伽椰子とかを撮っているホラー好きの間では有名な方なんですね! ホラーは好きなのですが邦画をほとんどみないので初めて知りました…。貞子VS伽椰子もいまだに見ていないので、これを機に邦ホラーもまた履修するべきなのかもしれません…全部このノリなのかな、この監督さんの作品…。
ミサキ

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