Ryu

博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったかのRyuのレビュー・感想・評価

3.6
アメリカ空軍基地のリッパー将軍は精神に異常をきたし、警戒飛行中の爆撃機34機に対して、ソ連への核攻撃を命ずる。その事を知った米政府首脳陣は対策を協議することになるが⋯。

な、長ぇ⋯。恐らく自分が今まで観てきた作品の中で一番長いタイトルだと思います。キューブリックは原題とかけ離れた題を付けることを許可しなかったため、このような邦題になったそうです。にしても、ストレンジラブ博士を「博士の異常な愛情」と訳すのは中々おもろいですね。
以前鑑賞した、シドニー・ルメット監督の「未知への飛行」と訴訟問題になるほど内容が似ておりますが、緊迫感がハンパない「未知への飛行」に対し、今作はコメディに振り切っておりました。コメディと言っても、ドがつくほどのブラックコメディであり、首脳陣を無茶苦茶なキャラクターにすることによって、皮肉を効かせていました。
タイトルやジャケにもなっているストレンジラブ博士。登場時間こそ短いですが、見た目、中身共々、インパクトのあるキャラクターでした。イカれた科学者ってだけでなく、「総統!」とか叫んだり、政治色も持ち合わせている、とてつもなくめんどくさい奴ですね。
鑑賞後に調べて知ったのですが、ストレンジラブ博士とマフリー大統領、マンドレイク大佐、この3人全部同じ人が演じていたというのにビックリしました。全っ然わからなかったです。
一部の無責任で変な人たちのせいで、たくさんの人々の命が危険にさらされる。笑えないんだけど、笑えてしまう。そんな感覚を覚える作品でした。
Ryu

Ryu