みそらしど

チチを撮りにのみそらしどのレビュー・感想・評価

チチを撮りに(2012年製作の映画)
3.6
職場の方がオススメしてくれたので鑑賞。
思っていたよりよかった。休日の午後3,4時ごろに観るのに良さそう。

10年ほど前の映画ということで、何気ないシーンが、私の記憶が鮮明な時代と重なって絶妙な懐かしさで刺さってきた。

人の「暮らし」に関する描写が好きな私としては、母親が帰ってきて娘たちに指示を出すシーンや、みんなでお寿司食べるシーンが良かった。

家族女3人は似ていて、強いなぁと思った。
母や姉が外部から余計な干渉を受けた時に啖呵を切って拒絶したのは、自分を守るためじゃなくて他の家族を守るためであり、また、どこかで父を愛する自分の気持ちも守るためなのかなと感じた。
父を想う気持ちがあって、自分と父の間にだけある関係性に他者が踏み入ってこないよう守るために、瞬時に壁を築いているようなイメージ…。

「まだ恨んでる?」という問いかけが何度か出てくるけれど、人は人を恨み続けるだけなんてことは出来ないと想う。少なくとも恨み「続ける」ということは、想い続けるということであり、「想う」ことは恨みだけでは形成されないのではないだろうか。
築いていた関係性や愛があるから恨めしく思うし、もっと側に居てほしかったから恨めしく思うんじゃないのかな。あくまで個人的な推測だけど。

この映画を教えてくれた人が「浅田家!」も進めてくれたので今度観ようとおもう。