みそらしど

オオカミの家のみそらしどのネタバレレビュー・内容・結末

オオカミの家(2018年製作の映画)
3.4

このレビューはネタバレを含みます

アリ・アスター監督がコメントしていたので鑑賞。
Twitterで予習しておいた方が楽しめるというツイートを見て、Netflix「コロニア・ディグニダ」を途中まで見てから劇場へ。

まず画にかなり力があったなと思う。独特な切り替わりに、仕上がる部屋の様子や登場人物の表情。幼い頃に見ていたらシンプルにホラーの分類としてトラウマになりそう。ずっと変わり続けていく画面を見ていると、緊張感も絶えず続いていて不穏な空気感に途切れがなかった。
そして音。効果音なども気持ち悪さをにじませていたけれど、マリアを呼ぶ声が脳裏に焼き付いてしまって気持ち悪い。優しさを装て発される声のようで、とても不吉な感じがあった。

ストーリーとしては、「やはりコロニーにいるのが一番」的な感じの結論を訴えてくるものだけど、その結論までの描き方が性格悪くて、(気分悪くなるような映画を期待していた身としては)よかった。
主人公が森の一軒家で、豚と共に家族として上手くいきそうな感じを出してからの「やっぱりだめだ…」の感じが、「ほらね。外は怖いし、貴方は一人ではやっていけないんだ。」と諭すような話の創り方だった。
主人公が限界を自覚するまでも、第三者視点からだと「異常だ」「取り繕えてないよ…」と思うシーンもあって、とても居心地が悪かった。
短編『骨』と合わせても、時間としては90分程度と短めでありながら、とても満足感のある作品だった。