茶一郎

ワールド・ウォーZの茶一郎のレビュー・感想・評価

ワールド・ウォーZ(2013年製作の映画)
3.2
『 ナニコレ珍百景Z 』

 頑張るブラピお父さんが、世界を行き当たりばったりに飛び回る史上最高のお金がかかったゾンビ映画。この手のジャンル映画の参入障壁となりうる(慣れれば見所なのでしょうが……)直接的な『ゴア・グロ描写』がないため、苦手な人も慣れていない人も飽きずに楽しめるお手軽な一本に仕上がった。
 
 『出た!壁に突撃して自爆するゾンビ!』
他ではなかなか見られない量のゾンビ、ゾンビの波、ゾンビの壁越え、と画的な迫力が凄まじいのが膨大な制作費の『功』の部分。この人工知能が備わったゾンビは、一人一人に性格があり、その性格に応じて人を襲う一人一人が『生きて考える』ゾンビ。AIとCG進化の一つの到達点としてエポックメイキングな一本とも言える。
  
 そんなこんなを、ペプシで乾杯しながら、気軽に見たい。
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 『絶景かな、絶景かな』は、体操選手なみにアクロバティックなゾンビたちの群れだが、『珍百景』に当たるのは勢い重視、行き当たりばったりのストーリー。
人類の希望が転んで死んだり、群衆が壁の内側でカラオケ大会を始めたり、肝心な時に電話かけてくるカミさん、などなど、もはや愛おしくなってくるシーンが連なる。イスラエルが自国を『隔離』することで、ゾンビから自分を守るその体制は皮肉がとても効いている。

子供の喘息、どうなったんだろ……とか思いながら
『オレたちのワールドウォーはこれからだ!』という締めに、続編への期待を隠せない。
茶一郎

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