茶一郎

デューン 砂の惑星PART2の茶一郎のレビュー・感想・評価

デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)
4.5
 興奮して公開前に5回鑑賞してしまった。今一つ目の前で行われている事の凄さを頭で処理する事ができず、5度見したような感覚。「映画」というより「大聖堂」や「大仏」に近い荘厳さと大きさがある、とにかく大きい大きい大きいシリーズ二作目。
 IMAX映画体験としては最高峰にして限界では?と思った。砂漠をとらえたロングショットとクローズアップを交互に行き来する暴力的とも言える映像設計。クローズアップが効果的に活きるスタンダードサイズに画面比率が近いIMAXフルサイズ画角(1.43:1)も、同様にクローズアップが活きる事に本作で気付いた。
  物語は『アラビアのロレンス』と同じく「英雄譚」と「反英雄譚」が一本の映画に同居する。「スター・ウォーズ」で言うとアナキン・スカイウォーカーの物語に近い。「女性映画」として「DUNE」を再解釈するドゥニ・ヴィルヌーヴ監督は、やはり本作でも女性……特にチャニの存在感を原作から大幅に強調し「ポール救世主化」ポールの英雄譚にメスを入れていく。ドゥニ作品は「支配的な母親」が多く登場し、特に『灼熱の魂』は母親の描く「物語」にコントロールされる子供の物語だったが、本作も非常に近く、子供は結局、母親の描いた物語の中でもがく事になる。
 何より、本当に「砂漠の救世主」映画化を見据えたまとめ方をしていて舌を巻いた。ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督本当にやる気なんだな……もう一生あなたの夢について行きます……

 ◼︎動画ではもう少し話しました。
茶一郎

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