タカシ

ワールド・ウォーZのタカシのレビュー・感想・評価

ワールド・ウォーZ(2013年製作の映画)
3.4
『ペプシは世界を救う』


ブラピはすごい。
「それでも夜は明ける」の製作でアカデミー作品賞を獲ったかと思えば、本作ではアメリカだけでも2億ドルも売り上げる大ヒット。本当に映画人として作品を見る目があるのだ。

そんな大ヒットの本作。出来はどうかと言えば、もうね、どうしてこれがヒットしたの、という出来。

もちろん全三幕のうち、一幕目はたっぷり楽しめる。
ゾワゾワする予兆から一気にパニックに陥るところはさすが。
ゾンビは、ゾンビというより肉体的、運動能力的に進化し、人を襲う本能だけに突き動かされる、新人類って感じでとてもいい。

ところがこれが太平洋上から韓国行きになるところから雲行きが怪しくなる。一応危険な任務なんだろうに、何故ブラピやウィルス学者はもっと武装してないのか? ヘルメットに通信機、防弾ベスト、編み上げのブーツとか。しかも素人に不用意に拳銃持たせんじゃないよ。

重要な作戦時に電話を切ってない。音に敏感なのにスピーカーから音出しまくり。運任せの飛行機事故に運任せの解決法。
もう頭の悪い話ばかりで本当にイライラする。

脚本家はもっと慎重に筋書きを考えるべきじゃないの?何故ウィルス学者は死ぬ羽目になるのか? 何故飛行機を飛ばすために戦闘になるのか? 何故安全なはずの壁の中に危険が訪れるのか?それを考えてこその脚本家じゃないの?

まあ一時は完成すら危ぶまれていた本作。こうして完成し、大ヒットしたのだから、もはや出来など二の次三の次ってことなのかもしれない。

ただ最初予定されていた三幕目、クライマックスのロシアにおける大戦闘シーンは丸々カットされ、現在のウィルス研究所のシーンになってしまったのはなんとも残念。「ワールド・ウォー」の名が泣くクライマックスだが、ゾンビとのかくれんぼは結構ドキドキでこれも良かった。
結果、続編が作られる事になり、次作に期待を持たせるクライマックスになったと思う。

次作はなんと監督をデヴィッド・フィンチャーが務めるという事で、無駄に期待値上がっちゃうよなあ、な一作なのです。

ちなみに本作の吹替版は異常にキャストが豪華なので、こちらも一度ご覧になってはいかがでしょうか。
セルBlu-ray(吹替版)にて。18.03.14
2018#026
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