クーベルタンはな

共喰いのクーベルタンはなのネタバレレビュー・内容・結末

共喰い(2013年製作の映画)
2.9

このレビューはネタバレを含みます

遠馬、は、17歳の男子高校生。父の円、と父の愛人琴子と三人で、川辺の一軒家に暮らしている。円とのセックスのたびに殴られたり首を絞められたりするので琴子の顔には時々、痣ができる。
母の仁子は橋の反対側で魚屋を営んでいる。左手首を失った彼女は、特注の義手をつけて魚を下ろす。仁子は遠馬に円の目にそっくりだと頻繁に言う。
琴子は自分が妊娠していることを遠馬に告げる。円の子だという。遠馬は神社で千種を押し倒し、嫌がる彼女の首を絞めて以来、千種は遠馬と会おうとしなくなる。妊娠中は円は手を挙げないという。
琴子は、近いうちに家を出ていくことにしたと遠馬に伝える。円には何をするか解らないからまだ言わないでほしいという。
夏祭りの前、近所の子供たちに連れられた千種が遠馬の家にやって来る。今度あんなことをしたら殺す、と琴子は言うが、俺はあの父親の息子だと言う。明後日はやしろで待っている、と琴子は言う。
夏祭り当日、円が家に帰ってくる。遠馬は、家を出て行った琴子が戻ってこないことを円に教える。泣きじゃくった近所の子供たちが遠馬を訪ねてくる。異変を感じた彼が神社へ向かうと、そこには、円に犯された千種が横になっていた。遠馬は円を殺すと息巻いた。魚屋に現れた二人の話を聞き円を探す。仁子の義手に腹を刺された円が川に流されていく。翌朝、仁子は神社で逮捕される。
拘置所の面会室で仁子は、自分の判決まであの人には生きていてほしい、あの人が死んだら恩赦があるから、と遠馬に言う。腕を亡くしたのも戦争をあの人が始めたからという。
遠馬はフェリーに乗って琴子に会いに行く。琴子は自分の腹にいるのが本当は円の子ではないことを告げる。
遠馬が魚屋に戻ると、魚を下ろす千種の姿があった。夜、寝ている千種の首元に遠馬が手を伸ばした瞬間、彼女は目を開けて、あなたの手はわたしを痛めつけるためにあるのか、可愛がるためにあるのではないか、と問う。千種は遠馬の手を紐で縛り、仰向けの彼にまたがる。
そして年が明けて、昭和が終わった。

全体的に暗い感じで進行していく。