OASIS

孤独な天使たちのOASISのレビュー・感想・評価

孤独な天使たち(2012年製作の映画)
3.8
孤独な少年がスキー旅行をサボって地下室に閉じこもっていると、薬物依存症の義姉がやってきて一緒に過ごす事になるという話。
巨匠ベルナルド・ベルトリッチの50周年作品にして復帰作。

70歳を超えた監督が撮ったとは思えない程若々しくて、爽やかな映画だった。
陰湿で薄暗い地下室での話のはずが、テイストは底抜けに明るい。
14歳の主人公を演じた役者の青臭さも絶妙過ぎた。
そして義姉の醸し出す弟への細やかな愛。
言葉では具体的に示される事はないが、二人だけの空間の中で育まれるのは性の目覚めでは無く、少年が最も欲しがっていた確かな人肌の温もりだった。
決して大人の関係になったりはしないその距離感は心地良い。
それを体現するかのようにラストで二人が抱き合う姿に、地下室で羽をもがれたアリのような少年が確かに羽ばたこうとする希望を感じさせる。
思春期の危うい好奇心を清々しい青春の輝きへと転じさせるその手腕、やはりベテランのお仕事でした。

デヴィッド・ボウイの曲が良いね。
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