やん

孤独な天使たちのやんのレビュー・感想・評価

孤独な天使たち(2012年製作の映画)
3.5
B・ベルトルッチの10年ぶりの新作。とにかく美しく、70歳にして原点回帰のような初々しさが溢れる素晴らしいデキに驚嘆。D・ボウイのSpace Oddity(イタリア語ver.!)に乗せて二人が踊るシーンからラストショットまでは圧巻。そして、特筆すべきは14歳の少年“ロレンツォ”を演じたジャコポ・オルモ・アンティノーリ君。あのニキビ面に、うぶ毛な髭。そして思春期特有のあの目。とにかく素晴らしい。彼の存在があったからこその作品。かなりミニマムな世界の話だし、正直「ん?」と首を捻りたくなるような設定(でもこれはイタリアと日本の違いもあるから一概には言えない部分がある)ではあるが、とりあえずベルトルッチの新作が観れたことが嬉しいし、なにより“俺が好きなあの頃のベルトルッチ”が戻ってきたこと、そのことがただただ嬉しい。
やん

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