ぺっこり180度

ハーヴェイ・ミルクのぺっこり180度のレビュー・感想・評価

ハーヴェイ・ミルク(1984年製作の映画)
3.9
ミルクさんは、人を巻き込むのが上手で、ポジティブな魅力にあふれた人物だったのだなと感じた。

犯人がミルクさんを殺したのは、ミルクさんがゲイだったからというのもあるが、おそらくそれだけでは語れないだろう。
ただ、犯人が、異例とも思える軽い刑で済んだのはミルクさんがゲイだったことと、犯人が中流以上のヘテロセクシュアルの白人男性であることが大きな要因だと思われるので、むしろ彼の国の闇は深い。

フィラデルフィア、チョコレートドーナツ、グリーンブック…ちょっと思い出すだけでも同性愛とその差別を扱った映画はいくつも思い浮かぶ。
同テーマを内包した映画がコンスタントに作り続けられているということは、いまだ解決に至らない問題であることの証左。
「もしも」は無意味だけれど、ミルクさんがもっと長く生きていたら、時代の流れが違ったかもしれないとふと思う。