ぬーたん

エンディングノートのぬーたんのレビュー・感想・評価

エンディングノート(2011年製作の映画)
4.5
映像関係の仕事をしている娘が親を撮る、というドキュメンタリーは先日観た『ぼけますから、よろしくお願いします。』と似ている。今作はそれより7年も古い映画だが、知らなかった。家族の記録として撮っていた過去の映像がこういう形で映画になるとは家族の誰も想像していなかっただろう。これは普通の家族に突如訪れた父親の余命宣告と、自らの死の整理と段取りをしていく気丈で真面目な父親の日常を、父自身を語り手にして綴った記録である。
普通の、というが、かなり恵まれた家庭だ。あまりにも古いホームビデオの記録からしても裕福な家庭に育った主人公を想像出来る。そして本人もまた、高度成長期に働いた熱血サラリーマンで、その活躍で退職時は東証1部上場企業の専務取締役という役員で終わる、エリートだ。。
砂田和昭さん。40年以上務めた会社を退職して間もなく胃がんが発見、既にステージ4で残された時間の少なさを知る。彼を撮るのは三人居る子供の内、末っ子で独身で映画関係の仕事をしている麻美さん。娘だから遠慮ないし、お父さんも協力的で素直な心の内を明かす。
父が一番大好きなのは、孫だ。これがまた凄い可愛がりよう!しかもアメリカに住んでてあまり会えないせいか、別れは泣くし会えば泣くし。こちらまでジワーと来るよ。
to.do.1~10までのチャプターで、少しづつ進めていく死への準備とカウントダウン。人生ラストの一大プロジェクトに挑む、父の姿に大したものだと感心する。カメラの回ってない時は泣いたり叫んだりしたんだろうなあと思いつつも、遺された家族のために精一杯の段取りを決めるそのパワーには驚かされた。大した方だったね。
ぼけますから~もそうだが、一番身近な存在を撮っていくドキュメンタリーはなあなあになるし、主観的で不自然になりがちで、一方作り過ぎるし、あまり良いものが出来ないような先入観を持っていた。全くの他人が客観的に映す方が良いのだと。しかし、この2作でそんな思いは吹き飛んだ。凄いよ、これ!何はともあれ、50代以降の方は観て!そして出来れば親世代が60代以降の人も観たらきっと色々と考えさせられると思う。
何不自由なく幸せに生きた恵まれた方の家族ではあるけど、どこにでも居る家族だ。何処にでも居るからやっぱりこれは自分で自分の父で夫かもしれないなあ。お手本としたい。幸せに生きてなおかつ幸せに死にたい。
主題歌も良き!
映画なら満点つけたい位だけど、ドキュメンタリーなんで4.5で。
超オススメ!
※おやつは従妹から送って来た、那須高原の有名店のお菓子。バターソルトとチョコナッツのクッキー。美味しい!紅茶はアップルティーにミルクを入れて。
※夕飯は、旦那が積丹へ釣りに行き、釣って来たカレイは小さめ!だから悪いと思ったのか、帰りに市場で買って来てくれたナメタガレイと一緒に煮付けに。市場で私に買ってきてくれた生うにはドーンとうに丼に。うちでは私しかうにを食べないから全部乗っけしたよ。豪華!家族にはいくら・帆立丼。どんぶり対決だい。胡瓜の塩麴漬け、ワカメとジャガイモの味噌汁。アスパラの生ハム巻き。アスパラはそろそろラスト。これからはトウキビが楽しみ。
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