カミワザ

ウルフマンのカミワザのレビュー・感想・評価

ウルフマン(2010年製作の映画)
3.9
古典モンスターを、現代の技術で本格的に描いた映像が見所。
勿論R-15指定で、グロテスクな描写もありますがが、大音量で【ドン】と脅かすシーン驚かす方がよっぽど怖い。

といっても、アクションとしての完成度が高かった事が私にとっては嬉しい限り。
序盤でウルフマンに村が襲われるシーンのスピード感が抜群で、無残に引きちぎられる人の肉片もグロテスクながら、ほんの一瞬、次々と映し出されるそのテンポが良い。
なので、映像からはそれ程怖いと感じる事は無いと思います。

特殊メイクで表現した変身シーンも見応えがあり、バキッバキバキと音を立て五体が変形していく様子に息を呑んだ。
同時に、「ああ。以前に観た狼男はこんなんだった」と懐かしさにも浸ってみたり。
そして、狼男ならではの野性的な場面。音に敏感になり、力が漲り、そして凶暴的になる。
こうした描写に影響されるんです。鑑賞後は私もすっかり狼男の気分♪

それでも本作には、美女と野獣の禁断の恋をもっと掘り下げて描いて欲しかった。
個人的にはキスシーンだけでは物足りない!
その点を満たしているのが、ジャック・ニコルソンの『ウルフ』なので、こちらもチェックして欲しい。

と言っても本作の狼男となる呪いを背負う主人公演じた、ベニチオ・デル・トロも上手いです。
何処か影を引いている感じが雰囲気出ている。
ローレンスの抱える悲しみ全てが伝わる感じがとても良かった。
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