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ミークス・カットオフのyukoのレビュー・感想・評価

ミークス・カットオフ(2010年製作の映画)
4.7
私たちの普遍的なことが、1845年のアメリカ、オレゴンの荒野で起こっている、それを映像として観ました。だからいつでも今の話でもある気がしました。

ケリー・ライカート作品についてのzineを読んで一番頷いた、彼女の作品特有の“ゆっくりとしたオーバーラップ”、だから「「向こう」の更に向こうに「こちら」の風景が見える」、「もはやふたつの世界には分けられなくなった向こうとこちらが重なる」、だとしたら今作のその場に居合わせたいろんな考え、いろんな感じかたをするいろんな人間が見ていた向こうがわに向かい続けることになるから、だからこんなにもずっとみていたくなるものになるのかもしれないです。
でもたぶんいろんな視点からまだまだみれる作品、毎度のことながらのとても静かなのだけどどの場面にも目を奪われて、離せなくなるものばっかりのケリー・ライカートの作品で、観てるといろんなことが頭に浮かんでしまうけれど、ただその映像を自分の目にうつすためだけにもまた観返したくなりました。
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