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紙ひこうきのmaverickのレビュー・感想・評価

紙ひこうき(2012年製作の映画)
4.2
ピクサーの短編映画。
『シュガー・ラッシュ』との同時上映で、第85回アカデミー賞では短編アニメ賞を受賞。

7分という短さに感動のドラマが集約されている。紙ひこうきを題材にした単純なストーリーでありながら、それをこうもドラマチックに描けることに感動がある。音楽の使い方や盛り上げ方の演出が上手い。モノクロアニメというのも味がある。日本のアニメーションとは違った画風だけれど、表情が豊かで色彩も美しい。ヒロインの女性は、大人のクールな女性に見えて可愛らしさがとても魅力的。主人公は冴えないサラリーマンで仕事も出来なさそうだが、一途に一生懸命な姿がとてもかっこいい。CGと手書きの融合で、この二人の短い物語を感動的に描いている。

主人公の行動は社会的には駄目な大人なんだろうけど、自分の人生を考えた時に、どの選択をするのが正しいのかを考えさせられる。真面目に従順に働くのが会社のためであるし、ルールに沿って他人に迷惑をかけないのが大人の行動でもある。でも、それによって自分の人生が犠牲になってしまうのは間違っていると思う。この主人公のように、運命的な出来事は突然起こる。その時に、社会のルールやモラルを取るのか。それとも、この主人公のように全力で直感を信じて行動するのか。
本作を観て、微笑ましかったり感動する人は、この主人公に通じる部分がある人だと思う。


時には直感を信じて勇気ある一歩を踏み出す。すると運命がそれを手助けするように奇跡が起こる。そんなことをこの作品では語っているんじゃないかな。二人の男女の出会いの物語を、7分にまとめた作品。その後の物語を想像して楽しむのもいいね。
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