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フィフティ・シェイズ・ダーカーのmaverickのレビュー・感想・評価

3.9
2017年のアメリカ映画で、『フィフティ・シェイズ』3部作の2作目。監督は前作のサム・テイラー=ジョンソンから『摩天楼を夢みて』のジェームズ・フォーリーに変更となった。


主人公アナの印象が前作からかなり変化。クリスチャンの取った行動が許せず、彼女の中では彼のことは終わった関係。就職先も見つけ、そこで自分の生活を築いている。彼女のことを忘れられずにすがるクリスチャンに対しても強気な態度。自立した大人の印象になったし、強気な性格が表れるようにもなった。絡みもかなり積極的になり、アブノーマルなプレイを求めて受け入れる大胆さを出す。ピュアで可愛らしい前作のダコタ・ジョンソンも良かったが、大人の色気を醸し出す本作の彼女も大いに魅力的だ。

本作はクリスチャンの過去のトラウマを掘り下げる話。彼の歪んだ部分は何故形成されたかを知ることが出来る。アナもクリスチャンもお互いにそれと向き合い、二人で乗り越えようとする試練の話だ。クリスチャンの異常な性癖や依存心から来るストーカー気質はドン引きではあるのだが、彼の幼少期の体験を鑑みれば納得も出来る。付き合った当初は盲目で何の問題もなくても、徐々に相手の許せない部分が浮き彫りになってゆく。自分を良く見せたいから弱みは見せなかったりするけれど、本当はそこも受け入れてほしいと思っている。でも相手がそれを受け入れてくれなかったら、という怖さもある。二人の恋愛は順風満帆ではなく試練の連続だ。でもそれを乗り越えて、より強くなってゆく絆に感動がある。どんな試練があろうともそれを乗り越えようと思える相手だから真実の愛なのだと、そう思える話で素敵だ。

昼ドラ要素が前作よりもパワーアップしており、そこに関しては苦笑い。アナの上司はヤバいし、キム・ベイシンガー演じるエレーナも怖すぎる。写真展で勝手にアナの写真を使った男友達も何気に引く。どいつもこいつも狂ってやがると感じる世界だ。

性描写に関しては前作より過激。器具をドレスの中に仕込ませたり、エレベーター内でのやり取りなど、綺麗に見せてるけどかなりアブノーマル。ダコタ・ジョンソンもよく演じ切ったなと感心した。


話もだいぶ盛り上がってきた。次でどう着地するのかと期待が持てる。結末をしっかりと見届ける覚悟だ。
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