レフン鑑賞4作目。
時系列で観てる訳ではないのに、中身的にどんどん深みにはまっていく感じがするのは何故だろう…
他の作品と変わらず言葉で語らないというスタンスは健在。とても好き。
またバンコクの町の描写が、作り物感の強いレフンワールドの中に深みを加えているのも印象深い。
チャン・クリスタル・ジュリアンの複層的な関係性を通して、人間って何?を深掘りする。
復讐ものという大枠を持ちながらも寓話性がとても高い。
ジュリアンはチャンと戦っているのか、父と戦っているのか。はたまた神と戦っているのか。
どの道彼に勝ち目はない(ゲームボーイのサガだったらチェンソーで勝てるけども…)。
罪深きその手で、母の腹をまさぐったところで、へその緒は見つからない。
作品を観終わった印象的には、
とってもいい作品なんだけど、ちょっと頭でっかちな建てつけかなっていうところ。
主題が哲学的な部分に寄ってしまっているので、世界観がすっと胸に落ちてこない。
強調されるエディプスコンプレックス構造もとても古い概念なので、感覚的にピンとこない。
メタ好きな人には愛される映画かもしれない。