Kachi

ウォールフラワーのKachiのレビュー・感想・評価

ウォールフラワー(2012年製作の映画)
3.7
【チャーリーのまなざしを感じる青春譚】

Amazon Primeに追加されて以来、ずっと気になっていた作品。仕事の憂さ晴らしのために鑑賞。本作の特徴は画面の多くをチャーリーのまなざしに置いていることにあるのかと思った。

小さい頃のトラウマがきっかけで(これは中盤〜終盤で判明)精神的に抑鬱状態である16歳のチャーリーが、シーン毎に何に注意を払い、どのような感情の機微があるのかということが、画面に映るものを通して自然に諒解できるように丁寧に作られている。

チャーリーがサムに思いを寄せ始めるトンネルでのシーンや、エリザベスと付き合っていながらもダンスパーティで1人佇むサムが気になるシーンと言ったサムへの恋情を露わとするシーンや、フラッシュバックにより幻覚に襲われる精神的に不安定な状態を表すシーンに特に顕著に見られる。

没入体験を謳った映画ではないのに、自然とチャーリーに想いを馳せることが出来るのは、画面から得られる情報が多いことの賜物であろう。

どんな着地となるのか途中不安にもなったが「トンネルのあの曲」を持ってくるあたりはお洒落だった。ボウイの曲をもっと聴きたくなった。
Kachi

Kachi