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ウォールフラワーのKKMXのレビュー・感想・評価

ウォールフラワー(2012年製作の映画)
4.0
 青春モノの佳作とのことで鑑賞。なかなか面白かったです。とにかく、ヒロインのエマ・ワトソンちゃんが激烈に可愛かったです!


 高校に進学した地味男子チャーリー。中学時代に入院していたり、親友を亡くしたりと地味な上にいろいろ大変な男です。そんな背景からか、彼はカースト下位なだけではなく、どことなく孤独で引っ込み思案です。
 そんなチャーリーに手を差し伸ばしたのが、上級生のパトリックとサムの兄妹(義兄妹で2人は同級生)。ザ・スミス好き等のサブカル趣味が近いせいか3人は仲良くなっていきました。そして、この映画は3人の1年間を描いています。ハデな展開なないものの、心象風景を丁寧に描写するので観応えはありました。
 また、チャーリーが病気とかトラウマとかいろいろ持っているため、単純な青春モノというよりも、1年間を徒然と描いた『フェリーニのアマルコルド』に近い構造を持った作品だと感じました。もちろん、あんな熟女ムービーではありませんが(といいつつ、俺はアマルコルドの方が圧倒的に好きだけど!)。


 とりあえずサムを演じたエマワトちゃんがあまりにもキュート!サムの登場シーンだけでご飯3杯イケる神々しさ!マジで尊い!
 またサムが小悪魔っぽいんだなぁ〜!チャラい彼氏とかいる癖に、チャーリーとすぐにイイ雰囲気になっちゃうんですよ。「私は彼氏が好きだけど、アナタのファーストキスの相手は、アナタが好きな人でなきゃ❤️」とか言ってチャーリーとチュッチュしたりしやがるのです!く〜悪い!悪いけどチャーリー羨ましいッッ!
 あとね〜、俺はベリーショート嫌いなんですよ。本作のエマワトちゃんはベリーショートなんですが、例外的に可愛いと思った!やはりエマワトちゃんくらい超越的美女になればもはや髪型どうでも良くなってしまうのかも。とはいえ、劇中でエマワトがロッキーホラーショーに出演する場面があり、ロングのウイッグを付けていたのですが、やっぱりロングのほうがカワイかったな。ベリショも良いがロングのエマワトちゃんの方がもっと良い。

 そして、サムの義兄パトリックが魅力的でした。人間がデカく、常に明るく振る舞い、人の気持ちに寄り添える人。彼はゲイで、人知れず苦労をしており、そんな中でも屈服せずに生き抜いてきた様子が窺えました。それが彼の強く優しい人柄を作り上げたようにも感じます。


 ストーリーはそこまで引っかからなかったのですが、グッとくる青春感が伝わる場面が多かったです。本作品の核となる、ボウイ(notヒムロック)のヒーローズを聴きながら車の後ろに立って風を受けるシーンや、チャーリーとサムのキスシーン、夜の公園でパトリックの苦悩をチャーリーが受け止めるシーン等が心に残りました。
 あと、チャーリーが中盤にサムへの気持ちを抑えてメアリーという女子と付き合うんですよ。それが気まずくて面白かったです。またメアリーがウザい女子なので、サムみたいな最高女子が好きなのに、一緒にいるのは永遠に無意味な話をし続けるウザ女子というシチュエーションにニヤニヤしました。


 本作は『ブレックファスト・クラブ』のジョン・ヒューズが監督する予定だったらしいですが、ヒューズ監督が急逝し、原作者が監督したとのこと。ヒューズ版だと謎のご都合エンドになった可能性もあるので、結果的に今の形が良かったのではないかと感じています。
 ちなみに監督は『ワンダー・君は太陽』の人。だからか、ちょっとゴチャゴチャするんですよね。話はいいけどあれこれ詰め込み過ぎるきらいがあります。『ワンダー』の感想文でも述べましたが、本作も同様に映画よりも連続ドラマの方が深くなったと思います。


【追記】
 『500日のサマー』でもザ・スミスが印象的に使われていましたが、ザ・スミスはナード趣味だがわかる人にとってはちょっとオシャレみたいなイメージがありそうです。歌詞がどことなくロマンティックでギターが美しいからでしょうね。
日本だと筋少が近いと思いますが、繊細な美しさの面では真逆なので、筋少が映画で本作みたいな使われ方はされないでしょうね〜

 ちなみに、本作を観る前にたまたまザ・スミスのライブ盤を聴いていました。まさかのシンクロにビビりました🙀
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