なつ子

言の葉の庭のなつ子のネタバレレビュー・内容・結末

言の葉の庭(2013年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

落として割れたファンデーションを見て顔を覆う、自分にも同じようなどうしようもないやるせない日があることがつらくなった。

椅子と机を掻き分けながら先輩たちの元へ進む描写が現実味を帯びていた。
先生と呼んだ時に2人の間に境界線が引かれてしまった気がした。
学生の頃を思い出した。

新海誠の作品を最新作から遡るように見始めて3本目、この人の性癖が少しずつわかって来たような気がした。
言の葉の庭、この作品は今の私には先生サイドが刺さるけれど、よりタカオの気持ちに寄り添えたはずの学生の時にも見てみたかったなぁ。

子供の頃、自分を子供とは思っていなかった。かといって大人だと思っていたわけではないけれど、大人になってまだ自分を大人だと思えていないのに、実際自分はもうこの先生の気持ちのわかる大人になってしまっていた。
自分でもどうしようもなくて、ベッドの中で泣きながら学校に、会社に行けなかった日のことを考えたり、これから先絶対にまたそういう日があるのだろうなと思った。

監督がインタビューの中でゆきの先生のことを女の子と呼ぶのが印象的だった。まだ上手に歩けない先生を呼ぶに相応しい気がした。
なつ子

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