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リアル 完全なる首長竜の日のshihoのレビュー・感想・評価

3.7
これ、原作は小説なんですね。
それも「このミステリーがすごい!」受賞作。この世界観を撮れるのは黒沢監督しかいない!とお呼びがかかったそうです。
ただ物語のキーワードはそのままに、7割脚色とのことです(映画では佐藤健と綾瀬はるかは恋人同士だけど、原作は姉弟)ので、まぁほぼほぼオリジナルと思った方が良さそうですね。

1年前に自殺を図り今も昏睡状態の綾瀬はるか。脳外科の最新技術で、彼女の意識に入り込み会話をする「センシング」を使って、佐藤健が接触をはかります。

ほぼ夢の中、仮想現実で2人は住んでいるマンションの一室で会うことになるのですが、も〜この設定はイイ!最終的な出来栄えは置いといて、黒沢清監督の輪郭のボヤけた不穏な表現、光の表現、まるで登場人物以外そこにいないかのような非現実感と設定が完全マッチしていました。綾瀬はるかの精神状態によって、部屋に水が溜まってたり、明るさが変わったり。ありがとうほんとありがとう。
(今までの作品だと現実感がないことは私的にマイナスだったのですが、今回は設定のお陰でプラスになりました)

割合としてはミステリー7:ホラー2:SF1のくらいの配分ですね♫
綾瀬はるかはけっこうグロめの作風の漫画家で、その作品に出てくる死体とかが会話中にいきなり幻覚として現れたりします。
この出方、もう最高かよ!と私は思いました笑 けっこうビビりますよ笑
「フィロソシカルゾンビ」といってこの意識の中では、実在する人物も含めハリボテみたいに喋りもしない、能面の人間が出現します(見た目不気味なこと以外は無害)。これもいい味出してたなぁ。

ただ長いのでダレる。これはもっと縮めた方が良かったろうな。
あと佐藤健の演技力のなさはちょっとだめだね!この人なんでいつでも喋り方カッコつけてんの!
綾瀬はるかはかなり良かったけど、衣装が変だったな!最初のノースリーブロングワンピは可愛かったけど、あとのどれもこれも変な柄のワンピースはなによ。ヒョロイ佐藤健と合わせると逆にでかさが目立っちゃった感じだったな。
中谷美紀は良くも悪くも濃すぎたかな。あとオダギリジョーが、斎藤工かオダギリか最後エンドロール見るまで確信が持てませんでした笑

最後、首長竜が出てくるところはテンション上がりました♫
いや、意外とクオリティ高かったんです!というのもハリウッドで出てくる恐竜って、なんかサメ寄りっていうか、目がつってて〜キバがいっぱいあって〜シャーー!!みたいなのが多くて。
こっちはぬぼっとしててなんか上品さがあった。でも不気味でした〜いやでもよく出来てたなぁ。

キーとなる男の子のキャラづけをもっとするべきだったと思います。(あれじゃあただの変な子だよね、変な子なのかもしれんが)
何故過去でも一言も話さないの?
あとやはり、ストーリー上もっと起伏を付けるべきでしたね。
あとミスチルのエンディング曲が最悪(笑)どーしたよそれ…ミスチルってこういう駆け出しのバンドみたいな曲今でも作れるのがある意味すごいよね。でもこれはひどかったわ(笑)

あ〜黒沢監督、優秀な脚本家つけてまたホラー撮ってくれないかなぁ〜♫
評価低いけど、私は楽しめました〜原作も読もうっと!

最後に、オススメしてくれたくろひょうさん、ありがとうございました♫ホラー描写はよだれものでした笑
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