shiho

ファイナル・ガールズ 惨劇のシナリオのshihoのレビュー・感想・評価

3.7
【メタ視点ってたのしい】

かつて母親が出演したスラッシャー映画の中に友達と入り込んでしまうお話。

主人公一派もスラッシャー映画内のキャラクター達も、個性があって見分けが付き、ギリギリ不快感が少ないいい塩梅に仕上がっているのが大変良かった。関係性も良かった。

低予算っぽいわりに撮り方が効果的で上手くて「おぉ!ここ好き!」とクスクス出来てしまうシーンが多かった。

スラッシャーやスプラッタは嫌いなのでほぼ観たことはないけど(エグみのあるB級ゾンビ映画が一番近い気がするけど好きじゃない)、それ系のグロもエロもあくまでギャグテイストでさらっと流しているから観やすかった。
ただしその代償として、なんとなく全体的にマイルドで引っかかる部分が少なくなってしまった印象でもあった。迫真さには欠けるしカタルシスも薄い。もうちょっと最後盛り上げて欲しかったかな。シーフード味のカップラーメンみたいな感じ。

母親と娘の話はウルウル来るんだけど、「でもこれって作品内のキャラクターだから完全には母親の人格ではない…よな…?」という疑問が邪魔をしてなんだかふわっと終わってしまった感がある。あと現世の母親がどう生きてきてどんな人だったのか、という描写が足りなかった。

主人公にモーションかけてた「なんだかなww」って感じの男子がとても頼りになったり、有事の際にその人の真の価値って試されるよなぁとしみじみ思った。

色々定石を外してくることが多く、そういう意味でも程良く続きが気になる計算された良い作りだったと思います。
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