岡田拓朗

ヴァイブレータの岡田拓朗のレビュー・感想・評価

ヴァイブレータ(2003年製作の映画)
3.4
雰囲気よさげで短めだったので鑑賞。
正直感情移入できなさすぎて、何を見せられてるんだ状態に陥ってしまいました。
もう少し荒削りな展開や深く入っていくような展開になるかと思いきや、特にそんなことのない会話が淡々と広がっていくだけという。

ただ、寺島しのぶの役柄が、人のことを信じられず人生に希望を持ちながら生きているとは思えない闇が深い役柄で、そんな女性が一人の魅力的な男(大森南朋)との出会い→トラックでの数日間の中で、人に心を許せるようになるまで、が描かれていて、最後に幻聴からくる食べ吐きから解放されているように見えた終わり方はよかった。

「優しさが感情じゃなく本能」だという大森南朋への言葉がわりと腑に落ちて、だから今作はよくわからないし感情移入できないのか。
そもそも今作に感情はなく、全てが本能でできていたとしたら、それはその当人にしか理解できるわけがない。

ほとんど会話によってわかる展開だったので、ここがもう少し違った描写で描かれていると今作はよりよかったんじゃないかと思いました。

個人的に感情移入できなかった理由としては、上記に書いている優しさが感情じゃなく本能〜の点、この時代独特すぎる会話の横行と雰囲気にのめり込めなかった点、そしてこの2人がなぜ今こんな人になっているのか、の掘り下げがなかった点が大きいと思います。

まあそれでも2人の独特な雰囲気と寺島しのぶ、大森南朋のエモい演技が観れたのでそれがよかったかなーと。
寺島しのぶはやっぱりすごい女優なんだなー。
岡田拓朗

岡田拓朗