ずけし67

異形未知生命体 エボミネーションのずけし67のレビュー・感想・評価

3.3
B級心をくすぐる秀逸なタイトルに「ジャケ借り」ならぬ「タイトル借り」でございます。(ジャケットもイイですけどね)



肺に腫瘍を患うお母ちゃん。
ある日コホコホと咳き込んでいると、咳に混じって奇妙な肉片(腫瘍?エボミネーション?)を吐き出す。

それがムニョムニョと動き出し、寝ている息子の口に入っていく。
今度は息子が咳き込んで肉片を吐き出す(←たぶんエボミネーション)。

なぜかエボミネーションに操られ?殺人鬼と化す息子。(←この辺のロジックがまったくもって意味不明のワケワカメ(汗 )

息子は周囲の人間を殺し、それを餌としてエボミネーションに与える。
人間を食べてエボミネーション巨大化。

これはエボミネーショーーンだあぁぁ!!
(←息子の叫び)

息子はまた咳き込んで新たなエボミネーションを吐き出す。
そんでまた人を殺して餌として与える。
またまたエボミネーション巨大化。

これはエボミネーショーーンだあぁぁ!!
(←息子の叫び)

あとはひたすらそれを繰り返すだけというね、なかなか WHY ??? な作品でありました。



最初は小さな肉片のエボミネーションが、人間を食べることで人の大きさくらいまで巨大化するのですが、その成長したエボミネーションの造形がなんとも...ウルトラマンシリーズの怪獣レベル。

体の半分は口で、あんぐり開いた口には不揃いなキバが並んでまして、例えるなら " 口だけ怪獣 "(←我ながらチープなネーミング)って感じでしょうか。

そいつらが洗濯機とか洗面台を住み家にして「エサをくれ~」と顔をのぞかせている絵ヅラは、むしろ愛嬌があってカワイイ。

あと、グロ描写はそこそこ頑張っていて、息子が人を殺すシーンとか喉をかっ切って血がピューピュー出たり、チェーンソーで頭ぶった切って脳みそトロトロしたり、取り出したモツを「美味しくな~れ」とばかりにお鍋でグツグツ煮込んだりするものの、でもそこは年代物のB級品の域を出ない造りで、ジャケットから連想されるようなハデなグロ描写は期待しないほうが良いです。


で、結局、エボミネーションとは一体何だったのか?最後まで分からずじまいで終わってしまったので一瞬モヤっとするも、でも見終わって5分も経つと、ま、どーでもいっか、とスルッと平常心に戻れるお手ごろ感もB級王道な作品でございました。
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