Kogarath

パトリオット・デイのKogarathのレビュー・感想・評価

パトリオット・デイ(2016年製作の映画)
4.6
2013年ボストンマラソン爆弾テロ事件。もちろん覚えているし当時は衝撃的だったけど、その裏側や負傷者の数、犯人が捕まるまでの過程は知らなかったので本作を観て驚いた。観ていて苦しくなるほど痛ましくて、恐ろしい。犯人めちゃくちゃすぎる…実話だからってのもあるけど、映画の人物にここまで怒りを覚えたのは久しぶりだ。

すぐさま現場を再現して膨大な監視カメラのチェックを行い犯人の動きを特定する捜査の的確さと、暴走する犯人に立ち向かう警官たちの姿には敬服するばかり。
そんなシン・ゴジラ的な"組織のお仕事"映画であり、普遍的な愛のドラマでもあった。みんなどんな場面でも、家族との電話の最後に"I Love You"と告げるのが印象的だったな。単なる慣用句以上のものを感じた。

序盤のなんでもない日常の描写や、市街地での追跡劇の見せ方も上手くて、長尺だけど緊迫感ありすぎて全くダレなかった。特にガソリンスタンドの場面は手に汗握りっぱなし。傑作!

真のパトリオット(愛国者)とは何なのか…とエンドロールを観ながらぼんやり考える。
ボストン市民の団結や復興マラソンの映像を観て、先日のマンチェスターテロの数日後に市民たちが"Don't Look Back In Anger"を合唱する映像を思い出した。こんな時代だからこそ、怒りに身を任せてはいけないなあ。
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