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21オーバー 最初の二日酔いのchunkymonkeyのレビュー・感想・評価

21オーバー 最初の二日酔い(2012年製作の映画)
2.5
皆様のレビューを拝見すると、学生版ハングオーバーとして楽しまれた方と、劣化版ハングオーバーとしてがっかりした方にきっぱりわかれていますね。個人的にはどちらかというと後者で、これを観るならハングオーバー再鑑賞をお勧めしたい。

ハングオーバーと同じ脚本チームのはずが、なんかこれは嚙み合ってない感じがします。ハングオーバーはベガスを舞台に絶対にありえないぶっ飛び具合で御伽噺として楽しめるのに対して、こちらは少し程度を控えめにすれば実際にありそうな現実感が笑いよりも嫌悪を起こしてしまう気がしました。

配役については、なんとなくマイルズ・テラーとジャスティン・チョンを逆にした方がそれぞれの雰囲気に合っていると思います。それを思うとハングオーバーは完璧な配役だったなと改めて。

あとは設定。製作陣的にはいい話にしたかったのだと思いますが、これはいい話じゃなくて重い... 重すぎてコメディと調和しないし、あまり深掘りもされないので消化不良な感じが。

それぞれ自分の坂道を上る感じで徐々に大人になる日本と異なり、あちらの若者はみんな一律せいので階段を上る成長(だからこそ個々に戸惑いや葛藤があり青春映画が充実)。ネトフリ配信で世界を驚かせているあの番組に例えると(あれはホントなのかとよく聞かれます)、一般的には13歳はじめてのおつかい(子供のみで外出可能)、16歳遠くのおつかい(運転免許)、18歳自分用のおつかい(実家を出て生活)と来て、21歳は自分のお金でおつかい(経済的な自立)という最後の大人への階段です。

本作も題名やストーリーからしてやはり自立した大人になる最後の階段を上る若者を感慨深く描きたかったと思いますが、終盤の展開を観てもそこが伝わらないのも少し残念。チーフの正体は読めなかった!
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