大規模な犯罪組織「ゴールド・ムーン」に潜入捜査を行う刑事ジャソン。しかし、突然の会長の死によって組織のツートップであるチョンとジュング二人の後継者争いに巻き込まれる事になるという話。
男達から溢れ出す濃厚な血の匂いにクラクラした。
「インファナル・アフェア」イズムを受け継ぎながら、最終的には兄弟愛に行き着くなんとも形容し難い映画。
8年もの月日を組織の中で過ごしているとなると、それはもう真っ黒い血に染まっているわけだが、主人公は必死に否定し続けて頑なに拒む。
でもそんな彼を「ブラザー」とまで呼んで信頼し切っているチョンとの関係に心地良さを感じてしまうというジレンマが、逃げ場の無さを強調していて良かった。
しかしその反動で裏切った時の仕返しが怖い怖い。
普段は口を半開きにして飄々としているようなキャラがキレると一番狂気を感じるし、そのギャップが素晴らしかった。チョンを演じたファン・ジョンミンが最も印象に残ったかも。
ジャソンの上司役のチェ・ミンシクも「悪いやつら」とは真逆で久々にど直球でカッコいいキャラクターで満足した。
ちょっと白髪混じりになってさらに渋みが増している感じ。
のっけから口にコンクリートを流し込んでドラム缶に詰めるというようなエグいシーンはあるものの、ラスト付近まではバイオレンスは抑えめ。
けれど、ラスト付近の駐車場からエレベーター内のアクションはそれはもう阿鼻叫喚なエグさになっていて楽しかった。
撮り方もカッコいいんだよなぁこれが。
主役のみならず、脇役に至るまで個性的だったのも良かった。
特に殺し屋や幹部連中、カン課長の上司。
幹部の中にまたトガニの校長役の人が居たけど、最近観る韓国映画ほとんどにあの人が出ている気がする。
ジャングはどうしてもアリとキリギリスの小さい方にしか見えなかったので、それほど怖さは感じられなかった。
カッコいいチェ・ミンシクが観たい人にはオススメです。
ハリウッドリメイクしたとしても、「ディパーテッド」みたいになりそうで怖い。
@シネ・リーブル梅田
