こぅ

ラブ・クライム 偽りの愛に溺れてのこぅのレビュー・感想・評価

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20/'24

'24 2/19ジャケ写掲載していただきました。

B・デ・パルマ監督、【パッション】の本家で、フランスの名匠、アラン・コルノー脚本/監督作品(初参戦)による、
遺作となった、【女の復讐・サスペンス/スリラー】。


パリにある大企業に勤務するイザベル(リュディヴィーヌ・サニエ)は、厳しい女性重役クリスティーヌ(クリスティン・スコット・トーマス)の下で働いている。
クリスティーヌは、自分を差し置いて台頭し始めるイザベルが疎ましくなり、二人の関係はこじれる。
ある時、イザベルは出張でカイロに赴き、そこでクリスティーヌの恋人であるフィリップ(パトリック・ミル)と一夜を共にする。
彼と浮気するようになったイザベルに気付いたクリスティーヌは、上司である立場を利用してフィリップと別れさせる。
傷ついたイザベルはクリスティーヌに殺意を抱く…。


⚠️展開に於けるネタバレ注意報発令⚠️

本作【パッション含む】を完全に楽しみたい/鑑賞予定の
ある方は絶対🈲!!(総評は安全OK)
↓ ↓























・脚本/作風
冒頭から
主要キャストの紹介と状況は簡潔に、展開は無駄なく完璧に端折ってテンポを出している。
見習うべき端折り方だ。
復讐劇では、復讐する側が主人公になるのがセオリーであろう。

前半では、
イザベルが職場やプライベートでクリスティーヌから受けた 屈辱/愛憎 を充分に描き/伝えて、後半の本題への展開/復讐心に説得力を持ってスムーズにバトンタッチしている。

普通は、
殺人/犯罪に自分へ 不利な証拠は 残さないように注意するのだが、本作は、わざわざ ダイイングメッセージ/手掛かり を残して去る大胆且つデンジャラスな計画。
これはイザベルの 復讐を完遂 させる為なのだ
(ただ、殺す までもあるか⁈は疑問だが、濡れ衣作戦だとやむを得ないか)。

自分を捕まえられるか⁈というゲームを仕掛けたという訳ではないし、捕まえて欲しい、という願望とも違うという提示は、決定的な証拠(指紋)は残してきていないという点と、それまでの準備を伏線的にあからさまに見せている事で分かりやすい(濡れ衣相手も)。
また、
終盤の回想パートを モノクロ映像 で差別化しているのも親切設計だろう。

























・総評/見どころ
中盤に犯人/犯行を
見せてしまい、そこから【刑事コロンボ】、【古畑任三郎】に代表されるような犯人判明/提示〜犯人を追い詰める/解決までの展開を見せてゆく所謂、一般的な 倒叙式 とは一風異なるのが本作の特徴で一番の見どころ。
それは、本作のプロットが 女の復讐 たる所以だ。

種明かし編の
回想パートを最後に纏めてではなく、途中でその都度見せてゆくタイプで、これにより流れ的/帰結にスマート感を演出している。
特別サプライズある系ではないであろうが、方法/脚本がユニークでスッキリ綺麗に決まるサスペンス。
本作の意図が明らかになった後に 小オチ を用意している(大差はある)が、これを 蛇足 と取るかは観た者次第になる。
これで、ずっとスルーしてきた
リメイクの【パッション】も何れ比較/検証せねばなるまい。

個人的残念点⁈は、、
7年前の【スイミング・プール】で完全に 脱ぎ女優 だと思っていた、髪アップの黒縁メガネ がサイコーなリュディヴィーヌ嬢(31)が濡れ場で一切ハダカを封印していたところ⤵︎
こぅ

こぅ