ブルジョワ層への社会的風刺がたっぷり詰まった悲喜劇。
狩りをしに集まった人々間で渦めくエゴがエグい。
それでもコミカルに描かれている部分が多いおかげか、そのエグみが多少笑いでカバーされている。
物理的にも心理的にもドタバタしている。
召使いたちが追いかけ回したり、複数の男の間で心が揺れ動いたり。
しかし結局は皆自分たちのことしか考えていないのだ。
狩りの様子をかなり丁寧に映していた。
容赦なく撃たれていく動物たちと、それを娯楽として楽しむ人々。
それが後々の描写にもリンクしたときにゾッとした。
ルールがある、というがそもそも不倫しまくっている人々の中にルールも何もない気がする…。
それなのに、形骸化した「ルール」を強調する登場人物に嫌気がさした。
狩りや浮気で負けてもなんとかなるが、人生で負けてしまったら本当におしまいである。
当たり前のことだけど「ゲーム」に熱中するとそれを忘れてしまいがちである。